日当たりが悪いけど売れますか?
Q:日当たりが悪い住まいをスムーズに売ることはできますか?
住まいを売却する際、日当たりは査定額にかなり影響します。どのくらい影響するかと言うと、日当たりの具合にもよりますが、20%程度ぐらいまでの範囲で査定額を左右します。全体の2割ですから、結構な割合と言えるでしょう。
南向きの土地や角地は日が入りやすいことから、査定額も高めになります。それに対して、北向きの不動産は他の方角に比べて査定額が下がり気味になるのが実際のところです。
日当たりが悪い住まいを買う理由
まずはじめに、ちょっと思い出してみてください。「日当たりが悪い」とお悩みのその住まい、そもそも皆さんは割安で購入したのではありませんか?その地域の相場から見ると割安だったり、新築分譲住宅の中の割安な物件だったのでは?
長年住んできた、愛着のある住まいですから、売主様は皆さん「自分の家が一番高く売れるはず」と思っています。もちろん、そのお気持ちはよく理解できます。しかし、その一方で「日当たりが悪かったから安く買えた。ということは、売るときも安いんだろうな……」ともなんとなく感じていらっしゃるはずです。
他の物件より割安ということは、需要が少ないことを意味しています。日当たり良好の物件より売りづらいのは否定できません。そのため、時間がかかったり、ちょっとした工夫や努力が必要になることも。その点を心にとめておいてください。
とはいえ、日当たりが悪いから需要がない、売れないわけではありません。買主様の購買条件は本当に千差万別、人それぞれ異なります。そのなかには、日当たりをあまり重視しない人やこだわりを持たない人が必ずいるからです。
日当たりが悪い物件を売るためのポイントとは
日当たりが悪い住まいを売るポイントは大きく2つあります。まずひとつは、前述のように、日当たりを気にしない人を相手にすることです。
物件が向いている方角の人気ランキングとしては、人気の高い順に「南向き」→「東向き」→「西向き」→「北向き」という傾向になっています。人気の高い方が需要も高く、売却価格にも反映されるのは言うまでもありません。
南向きは1日を通して日当たりが確保できることから、家で過ごす時間が長い人に特に好まれます。東向きは午前中の日差しが期待できるので、早朝から行動を起こす人に好まれる傾向があります。また、西向きは日差しが長めに確保できますが、西日が厳しいことからやや人気が落ち、夕方から夜に行動する人が好みます。
では、北向きの物件はどうでしょう。日当たりが悪いわけですから、日当たりの良い南向きの逆を考えてみてください。「家で過ごす時間が短い人」が、日当たりを重視しない、こだわりを持たない人、つまり、日当たりの悪い物件のターゲットになるわけです。共働きの家庭や、休みの日も常に出かけているアクティブなファミリーなどが思い浮かぶのではありませんか?
加えて、日当たりの悪い物件にもメリットがあります。直射日光が入らないので、夏場でも涼しいこと。家具や蔵書などが日焼けしにくく、傷みが少ないことなどがそれ。これらは買主様に積極的にアピールすべき点と言えます。
もうひとつのポイントは、なるべく家の中を明るく見せることです。いくら日当たりが悪い住まいだとしても、売り出す際に物件情報として掲載する写真まで暗めでは、買う気はおろか、「見てみよう」という気まで失せてしまいます。撮影は昼間に行うとともに、照明やアプリをフルに活用して明るくキレイな写真を撮りましょう。
また、内見に備えて照明を清掃・増設したり、ハウスクリーニングでできる限り汚れを落としておきます。暖色系の明るい色のカーテンに新調するのもおすすめです。こうした工夫で住まいの明るさを演出すれば、日当たりの悪い住まいでも印象はグッと良くなり、成約の可能性がアップするのは間違いありません。
世の中、日当たり重視の人は思っている以上に多いもの。でも、正真正銘の南向き物件など、そう簡単には売りに出ません。そこで不動産会社は皆、決めゼリフの「南向きより“あなた向き”の家を探します」とお客様に言うのです。物件のどこを重視するかはお客様次第。日当たりを重要視しない買主様を探すのは、プロである不動産会社の腕の見せどころと言えるでしょう。
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